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ホントはこんなことしてる場合じゃないんだけど、どーしても文章が書きたくなったから、書いちゃった〜♪
(以下、銀朱が学園にくる前の話です。書き殴り。銀朱の過去が知りたい方だけどうぞ)
海の見える丘。聳え立つは、樹齢何百年にもなりそうな松の木。
木の枝に腰をかけ、幹に背を預けて。吹き付ける海風に、長い赤い髪を遊ばせながら、神崎 銀朱はのんびりと午睡を貪ろうとしていた。
と。
「こんな所に居た! ……銀朱!」
「……ん〜?」
足元から自分の名前を呼ばれ、視線を下ろす。
そこには、青い髪の少年が、腕を組んで仁王立ちしていた。
「せーちゃん? 何してるの?」
「それはこっちの台詞だ、銀朱。降りて来い今すぐ」
「……ちぇ〜」
精悍な体つきに、ドスの効いた声。
敵いっこないと呟き、銀朱は渋々木の上から地面へと飛び降りた。
「せーちゃん、またちょっと背ぇ伸びた〜?」
「嫌味かそれは」
「そんなつもりはないよ〜。だって、ちゃんと伸びてるじゃないの〜」
銀朱が頭半分小さい少年の髪をくしゃりとなでると、彼は肩を竦めてぼやく。
「神崎の子供たちの中でもずば抜けて身長が高いお前に言われると、嫌味にしか聞こえん」
「せーちゃんの方が普通であって、僕が異常なんだと思うけどぉ……まぁ、いいや〜。
何か重大な用事があったんじゃないの?」
すっと手を離し、銀朱は首を傾げる。
「せーちゃん、護衛なしに外でたら怒られるんだから……って、護衛さんはドコ〜?」
「ああ、撒いてきた」
ふん、と少年は鼻を鳴らす。
「この程度の距離まで、徒党を組んで付いてこようとしたからな。ウザかったから、撒いた」
「ウザ…って、ちょ、ま!
せせせせーちゃん!? 護衛もなしに本家からここまで歩いてきたの…!?」
「それが何か?」
ざーっと青ざめる銀朱など、どこ吹く風。少年は涼しい顔で眼前に広がる海を見ている。
「か、仮にも神崎の次期当主候補が何やってるのー!?」
「その言葉、そのままそっくり銀朱に返すぞこの馬鹿者」
拳を作り、少年はきつい眼差しで銀朱を見やる。
「訓練はサボる、人の話は聞かぬ、任務は放棄……思うが侭にやりたい放題。
とても」
銀朱の左腕に刻まれた赤い薔薇のタトゥー。こつんと拳で叩き、少年は緑の瞳でじいっと見上げる。
「当主候補生の沙汰とは思えん。この刻印、伊達で入れたなどとは言わせんぞ、この阿呆」
「……」
黙り込む銀朱。少年は、着ていたTシャツの袖を捲り上げた。
日焼けした、色の黒い肌。右の上腕部には、羽を模した青いタトゥーが刻まれている。
「くだらぬ慣習とはいえ、俺もお前も同じ神崎の子供。
羽目を外すのも大概にせんと、俺の手で処罰を下すぞ」
「………ふぁーい…」
銀朱がしょぼくれて返事をすると、少年は「分かれば良い」と言ってシャツの袖を戻した。
「ところで、せーちゃん、用事って…?」
「ああ、義父上(ちちうえ)がお呼びだ。
早々に屋敷に戻れ」
「お屋敷に…?」
首を傾げる銀朱の手を掴み、少年はズカズカと歩き出す。
「お前の鎌倉行きが決まった。転校手続きが必要だから、早く準備をせい、と」
「ちょ〜っと!」
ぐっとその場に踏みとどまり、銀朱は手を振り解く。
「鎌倉って、銀誓館学園のことでしょ!?」
「そうだ」
「やだよ! 常磐がいるじゃん! 僕、絶対常磐と仲良くできないから!! せーちゃん行けばいいじゃんせーちゃんが!」
「力説するな馬鹿者。少し頭を冷やせ銀朱」
ぺしんと銀朱の頭を叩いてから、少年はこめかみに手をやる。
「俺だって、学校に行ってみたいと思っている。
だが、次代の当主候補の、中でも1、2を争う有力な者が、そう簡単に外界と交われるわけがないだろう?」
「……じゃあ、ゆーちゃんとか、他に適任者がいるでしょ〜!?」
「銀朱」
すっと声のトーンをさげ、重苦しい口調で少年は話す。
「義父上の、命令だ」
「………」
「後々、俺も赴くことになるやも知れん。
だがな、今回の銀誓館行きは、お前が適任だと、義父上が仰ったのだ。
……返事は?」
腕を組んで立ち、じっと見つめる少年。
銀朱は、己の右手を胸に添え。
「―――大叔父様のご命令とあらば、異存はございません」
すっと頭を下げた。
「……それでいい」
言葉と裏腹に、少年は眉を顰めてそっぽを向く。
「さぁ、戻ろう。そろそろ、皆の忍耐の限界だろう。二人して説教などという醜態は勘弁だ」
苦々しく呟き、そのまま踵を返した。
「はいはい」
ひょいひょいと木の根を超え、銀朱がその後を追う。
「今頃、母さん達、びっくりしてるだろうなぁ。突然、書類が届いていてさ〜」
「伯母上も、神崎の血を引いている。そのくらいでは驚かんだろう」
「そうかな?」
「そうさ」
「じゃ、そういうことにしときましょ〜。
……で、ただ学校へ行けって話じゃないんだよね?」
「無論、任務を負うことになるだろう。所詮」
少年は自嘲的な笑みを唇に刻み、呟いた。
「俺らは、神崎の子供たちなのだから」
(以下、銀朱が学園にくる前の話です。書き殴り。銀朱の過去が知りたい方だけどうぞ)
木の枝に腰をかけ、幹に背を預けて。吹き付ける海風に、長い赤い髪を遊ばせながら、神崎 銀朱はのんびりと午睡を貪ろうとしていた。
と。
「こんな所に居た! ……銀朱!」
「……ん〜?」
足元から自分の名前を呼ばれ、視線を下ろす。
そこには、青い髪の少年が、腕を組んで仁王立ちしていた。
「せーちゃん? 何してるの?」
「それはこっちの台詞だ、銀朱。降りて来い今すぐ」
「……ちぇ〜」
精悍な体つきに、ドスの効いた声。
敵いっこないと呟き、銀朱は渋々木の上から地面へと飛び降りた。
「せーちゃん、またちょっと背ぇ伸びた〜?」
「嫌味かそれは」
「そんなつもりはないよ〜。だって、ちゃんと伸びてるじゃないの〜」
銀朱が頭半分小さい少年の髪をくしゃりとなでると、彼は肩を竦めてぼやく。
「神崎の子供たちの中でもずば抜けて身長が高いお前に言われると、嫌味にしか聞こえん」
「せーちゃんの方が普通であって、僕が異常なんだと思うけどぉ……まぁ、いいや〜。
何か重大な用事があったんじゃないの?」
すっと手を離し、銀朱は首を傾げる。
「せーちゃん、護衛なしに外でたら怒られるんだから……って、護衛さんはドコ〜?」
「ああ、撒いてきた」
ふん、と少年は鼻を鳴らす。
「この程度の距離まで、徒党を組んで付いてこようとしたからな。ウザかったから、撒いた」
「ウザ…って、ちょ、ま!
せせせせーちゃん!? 護衛もなしに本家からここまで歩いてきたの…!?」
「それが何か?」
ざーっと青ざめる銀朱など、どこ吹く風。少年は涼しい顔で眼前に広がる海を見ている。
「か、仮にも神崎の次期当主候補が何やってるのー!?」
「その言葉、そのままそっくり銀朱に返すぞこの馬鹿者」
拳を作り、少年はきつい眼差しで銀朱を見やる。
「訓練はサボる、人の話は聞かぬ、任務は放棄……思うが侭にやりたい放題。
とても」
銀朱の左腕に刻まれた赤い薔薇のタトゥー。こつんと拳で叩き、少年は緑の瞳でじいっと見上げる。
「当主候補生の沙汰とは思えん。この刻印、伊達で入れたなどとは言わせんぞ、この阿呆」
「……」
黙り込む銀朱。少年は、着ていたTシャツの袖を捲り上げた。
日焼けした、色の黒い肌。右の上腕部には、羽を模した青いタトゥーが刻まれている。
「くだらぬ慣習とはいえ、俺もお前も同じ神崎の子供。
羽目を外すのも大概にせんと、俺の手で処罰を下すぞ」
「………ふぁーい…」
銀朱がしょぼくれて返事をすると、少年は「分かれば良い」と言ってシャツの袖を戻した。
「ところで、せーちゃん、用事って…?」
「ああ、義父上(ちちうえ)がお呼びだ。
早々に屋敷に戻れ」
「お屋敷に…?」
首を傾げる銀朱の手を掴み、少年はズカズカと歩き出す。
「お前の鎌倉行きが決まった。転校手続きが必要だから、早く準備をせい、と」
「ちょ〜っと!」
ぐっとその場に踏みとどまり、銀朱は手を振り解く。
「鎌倉って、銀誓館学園のことでしょ!?」
「そうだ」
「やだよ! 常磐がいるじゃん! 僕、絶対常磐と仲良くできないから!! せーちゃん行けばいいじゃんせーちゃんが!」
「力説するな馬鹿者。少し頭を冷やせ銀朱」
ぺしんと銀朱の頭を叩いてから、少年はこめかみに手をやる。
「俺だって、学校に行ってみたいと思っている。
だが、次代の当主候補の、中でも1、2を争う有力な者が、そう簡単に外界と交われるわけがないだろう?」
「……じゃあ、ゆーちゃんとか、他に適任者がいるでしょ〜!?」
「銀朱」
すっと声のトーンをさげ、重苦しい口調で少年は話す。
「義父上の、命令だ」
「………」
「後々、俺も赴くことになるやも知れん。
だがな、今回の銀誓館行きは、お前が適任だと、義父上が仰ったのだ。
……返事は?」
腕を組んで立ち、じっと見つめる少年。
銀朱は、己の右手を胸に添え。
「―――大叔父様のご命令とあらば、異存はございません」
すっと頭を下げた。
「……それでいい」
言葉と裏腹に、少年は眉を顰めてそっぽを向く。
「さぁ、戻ろう。そろそろ、皆の忍耐の限界だろう。二人して説教などという醜態は勘弁だ」
苦々しく呟き、そのまま踵を返した。
「はいはい」
ひょいひょいと木の根を超え、銀朱がその後を追う。
「今頃、母さん達、びっくりしてるだろうなぁ。突然、書類が届いていてさ〜」
「伯母上も、神崎の血を引いている。そのくらいでは驚かんだろう」
「そうかな?」
「そうさ」
「じゃ、そういうことにしときましょ〜。
……で、ただ学校へ行けって話じゃないんだよね?」
「無論、任務を負うことになるだろう。所詮」
少年は自嘲的な笑みを唇に刻み、呟いた。
「俺らは、神崎の子供たちなのだから」



